前章までで無肥料無農薬・自然栽培の土づくりについて考えてみました。
ここでは栽培成功のカギを握る最後のピース、タネの自然について考えてみましょう。
肥料も農薬も一切使わない自然栽培のもう一つの特徴は「タネ」です。
今の農家はタネは種苗会社から買うのが当たり前になってしまっています。自分でタネを採る、そうした古来からの慣習は途絶えてしまって久しいわけです。
販売されているタネはすでに肥料や農薬漬けであるのが現状です。だからそのタネを使ってみてもうまく育たない。
また今のタネは輸送に便利なように設計されています。トマトやキュウリを輸送する際にきちんと箱に入るように人為的に操作をされている。
また形が良く、甘みが多く、日持ちが良いなどといろいろなタネの操作が行われているので、自然栽培には適したタネとは言えない状況があるのです。
こうしたタネを使っても無肥料・無農薬で育てるのは難しいのです。
タネと土を合わせる!
自然栽培を行う以上はタネは自分で採ることが大切な条件になるのです。自分でタネを採ることはタネに土の情報を覚えさせることが目的です。
土の性能をタネに読み込ませることで、その土に適したタネへと進化を促す。それによりその田畑にふさわしい自分だけの専用の種子ができていくのです。
ある自然栽培の先駆者は、最初は鉛筆大の大きさにしかならないニンジンからタネを採り続けました。
鉛筆大のタネの中から少しでも形の良いもの・少しでも大きいものを選び、そのタネを何年にもわたり採り続けたわけなのです。
その結果、20年以上を経過して、どこにも負けない立派なニンジンを収穫しているのです。
タネを自分で採ることで土とタネとを合わせていく。タネに土の情報を覚え込ませることを重ねて無肥料で無農薬の自然栽培の作物はできるのです。
肥料も農薬も使わない自然栽培は土を正常化し、進化させていく農法です。そして農家自らがタネを採ることでタネと土とをフィットさせる農法といえます。
無肥料・無農薬でも立派な作物が育つ理由は、
「土づくり」、「タネづくり」
それを長い年月をかけて行い続ける。それができてこその自然栽培と言えるでしょう
無投薬無医療で人生を貫徹したい私たちが選ぶべきは無肥料・無農薬の自然栽培のもの。
消費は力なり!
でも、それはあくまでこの栽培に取り組む作り手があってこそのもの。自然栽培に取り組む担い手がいない限り、この栽培はまさに”絵に描いた餅”になってしまうのです。
残念なことではありますが、現時点であなたの食卓に上るすべての食材を自然栽培のものだけにするのは不可能と言わざるを得ません。
これらの作物の作り手を買い続けることで応援する、このプロセスがどうしても必要になるのです。
食べる人の健康を真剣に考え、努力と研鑽を惜しまない作り手がきちんと報われる。こうした社会の実現は買い続けることでしか実現し得ないものでもあるのです。
あなたの消費は清き一票と同じです。何を選び、何を選ばないか?その選択を行うことでこの栽培に取り組む担い手を確実に増やしていくことができる。消費には世の中を変えるだけの力があるのです。
食卓に上るすべての食材が揃わなくても、少しずつで良いから”より自然なものを食べたい!”、この輪が広がっていけばいつの日か、誰もが当たり前に、もっと普通に購入できるようになっていく。
消費は力なのです。
以下に紹介する生産者は、この栽培に取り組む極めて稀な先駆者たちです。
”どんな味がするのか?”など、試してみたいと思われたならぜひ食べてみることをお奨めします。
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