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農学という学問では「土」をそのように考えています。土に養分などはなく、単に根っこを支えるだけのもの。だからこそ肥料を使って養分を施さなくては作物は育たない。
有機肥料であれ、化学肥料であれ、土をそのように考えているのです。
これに対して肥料も農薬も一切使わない自然栽培では、土そのものが
「肥料のカタマリ」
このように考える農法です。
土には作物を立派に育てるための力が本来備わっている。土の力は完全である。ただその力が封じ込められているだけに過ぎない。
土の力をもう一度蘇生させ、その能力を最大限に引き出し高めていく。その具体的な農法が自然栽培というわけです。
土の力を高め、最大限に引き出すためのポイントは2つ。
それは、
■新たに不純物を投入しない
この2つを繰り返し行うことで、暖かく柔らかく、水持ちがよく水はけの良い、無肥料・無農薬でも育てられる土を作り出すことができる。土の力を最大限に引き出すことができる。
これが肥料も農薬も一切使わない自然栽培のポイントになるのです。
土の主原料は、「植物」です。植物を主な材料にして土は作られているのです。
葉が散り、茎が落ち、大地に積み重なっていく。そして地中では根が朽ちていく。
そこに雨などの「水分」と太陽光線や地熱による「熱」、そして微生物・菌たちが働くことで、長い時間をかけて新たな土は作られていくからです。
温暖地帯において落ちた葉が土になるまでには数年の時間がかかると言われます。自然界が表土1センチの土を作り出すのに要する時間は100年〜150年といわれているのです。
土の原材料は植物の残骸であるから動物の糞尿や死骸などは不純物。そう考え、土には一切投入しない。
自然の土にも動物の死骸や糞尿などは入りますが、それはあくまで部分にすぎません。田畑のように何トン、何十トンという量が一時期に大量に集中して入り込むことなど決してないのです。
また動物の死骸や糞尿が土の中に混ぜ込まれるようなことも決してありません。あくまで表土の上に置かれたまま長い時間をかけて土に戻されていくのです。
自然の土を見れば不純物が何であるかが明らかになるのです。
土の主原料はあくまで植物の残骸である。
これに習い自然栽培の土づくりは、その田畑で栽培された作物の葉や茎、根、自生する草以外は使わない。動物の糞尿であろうと何であろうと、外から何かを持ち込まない。
これが土の力を最大限に引き出すための重要なポイントになるのです。
化学肥料も動物の糞尿肥料も一切使わない。それなら、
植物性の有機肥料はどうなのでしょうか?米ぬかを発酵させたボカシや油かす、海藻や炭などは使うのでしょうか?
また草を刈り取ったものをそのまま土に混ぜ込むことも農業ではよく行われます。「緑肥」と言われたりもしますが、これも一切行いません。
自然界で青いままの草がそのまま土の中に入り込むことはないからです。
草を使う際には必ず枯らしてから表土に置く、そのことで新たな土を作り出すための材料にする。これが基本になるのです。
自然界は虫や菌を呼ぶことで、その作物を素早く土に戻そうとするかのようです。虫害や病気の蔓延を引き起こし、作物の体を素早く土に還そうとするのです。
人体の解毒器官は肝臓や腎臓になりますが、自然界ではその役割を虫や菌が担っている。いわば不純物を無毒化するプロセス、それが虫が出て菌が沸く理由と考えるのです。
有機栽培では虫や菌の問題を解決できず農薬を手放すことができないのが現状です。その理由は土に不純物を投入するから。
自然栽培では虫や病気は不自然を犯した際に現れる使者と考え、一切敵視することがない。どこが間違っていたのか?それを知るための材料と捉える農法です。
こうして土に不純物を投入しないまま年月が過ぎると、土の生態系が変わってきます。土が本来の力を取り戻し、生きものたちが活動を始める。
肥料のカタマリとしての土の性能が蘇ってくるのです。
窒素は大気中の約80%を占め、リン酸は地中に1000年分もの埋蔵量があるといわれたりもします。どちらも豊富な天然資源といえるでしょう。
でも、窒素もリン酸もそのままの形では植物は利用できません。微生物・菌たちが加工することで初めて植物が吸い込めるようになるのです。
地中のリン酸を植物が吸えるように働く菌は「菌根菌」といわれます。この菌根菌に働いてもらわない限り、植物は天然のリン酸を利用できません。
植物は光合成で生み出した糖分や有機酸などを根から地中に放出して菌たちに養分を与えています。それへの返礼とでもいうような形で菌根菌はリン酸を植物が吸えるような形に加工しているのです。
でも、肥料成分が多い土だと菌根菌は働こうとしません。肥料の軸として使われる窒素肥料を嫌うからです。
窒素肥料を使えば使うほど菌根菌は働かなくなる。その結果、天然のリン酸を吸収するのが難しくなる。こうして植物は人からリン酸肥料をもらわない限り生きられなくなるのです。
これは窒素も同じです。植物が天然の窒素を吸うためには「根粒菌」という菌に加工してもらわなければなりません。
でも、菌根菌と同じで根粒菌も、窒素が多い土では働こうとはしないのです。こうして人から窒素肥料をもらわなければ生きられなくなるのです。
肥料分が多いほど、菌根菌も根粒菌も働くことができない。逆に肥料が抜けていくほど菌たちの活動は活発になる。
有機肥料であれ、化学肥料であれ、肥料を使うほど天然の資源を活用できなくなる。肥料は障害物になってしまうのです。
新たに肥料や農薬を使わないことで土本来の力を取り戻すことができる。土の性能を引き出し、その能力を最大限に高めることで無肥料・無農薬でも立派な作物を育てることができるのです。
ここでは肥料も農薬も使わない土づくりについて考えてみました。次章では、「土の掃除」について考えてみたいと思います。
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