次は調味料等の発酵食品です。
日本人の基本であり、そして世界の調味料でもある味噌や醤油、お酢、酒、納豆、そしてパンなどの発酵食品。
これらについて誰も教えてくれなかった!プロも知らないポイントをチェックしていきましょう。
味噌や醤油。
「そうした調味料なら
有機や無添加と書かれたものを買っている・・・」
このサイトをここまで読んでいる方ならそう答えるのではないかと思います。
では、ここで質問です。あなたがパンを買うときの基準は何でしょうか?おそらく、
「天然酵母パン」
そう答えることでしょう。
買う理由は、1に安全、2においしいから。そうですよね。そうであるなら、味噌や醤油も同じことはないでしょうか?
味噌・醤油などの発酵食品は、麹菌、酵母菌などのたくさんの微生物たちの力によって作られます。
昔から脈々と継がれてきたその技術は、大気中や蔵の中に住んでいる菌たちを素材に呼び込むことで熟成させる。
米や麦、大豆などに
微生物を“取り込む”、“付着させる”技術と言えるでしょう。
または蔵についた天然の菌を集めて保存。それを素材に付着させることで発酵を促す。発酵食の主役は
あくまで天然の菌たちだったのです。
それがこの60年の間に一変してしまった。洗濯が板から洗濯機に変わったように、
化学的に操作・培養された菌を使い振りかける。
それ一辺倒になってしまったのです。
操作・培養菌の実態とは!?
操作・培養された発酵菌については、知らなかった事実が色々と見えてきます。
失敗なく・安く・効率よく仕上げる。さらには付加価値をつける。
この目的のもと化学培養薬品、
重金属、抗生物質、殺菌剤、ビタミン剤な、肉汁どが菌の繁殖に使われているのです。
天然の菌を使って発酵食品を作るには、素材の良さが条件になります。農薬まみれのお米や大豆などを使っているようでは天然の菌は働けない。青カビや黒カビなどの腐敗菌の温床になってしまい、発酵できずに腐ってしまうのです。
こうしたことからどのような劣悪な素材でも強制的に発酵できるように、化学的に操作・培養した菌が開発され、瞬く間に普及していった。今から50年ほど前のことなのです。
これだけでも驚きなのですが、中には紫外線や放射線、ガンマ線などを菌に浴びせかけ、菌の遺伝子を変容させる。
突然変異を誘発させて食品の製造に使用する。こうしたものも普通に売られているのです。
「有機」や「無添加」と書かれた食品であっても、発酵菌のレベルでは同じ
で操作され、培養された菌が使われているのが現状です。
どうしたことか、「天然酵母パン」だけが支持を集め、人気となっているのが不可解なのですが・・・。
これは醤油や味噌、お酢、みりん、納豆、かつお節、日本酒、ビール、さらにはサプリメントなど、調味料全般にわたって行われ、化学操作・培養菌ばかりになっているのが現状です。
現在、
自然食品店や自然食団体の発酵食品でも天然の菌を用いて作られたものは、ほとんどないのが現状です。
だから見分ける必要がなく、ほぼすべてがこうした発酵菌だと思ってよいのです。
もし本当に天然の菌を使っているのなら、必ず
「天然菌で!」とか「蔵つき天然菌使用」、「自家製酵母使用」などと大きく表示されているはずです。
当然のことながら天然菌を使ったこれらの発酵食品は、米や麦、大豆などの素材を厳選するところから始まります。当然無農薬のものが良く、製造コストは割高になる。
そして天然の菌を使いこなすための技術も熟練の技を要し、販売できるようになるまでの熟成期間も長くなるものです。
当然、
失敗する確率も高く、匠の技が必要>になるのです。
このため天然菌で作られたものにはその努力や労苦を表現するため印象的な表記を大きくするものです。表記のないものは、化学的に培養された菌を使っている。
そう判断すれば良いわけです。
天然の発酵菌たちによって作られた味噌や醤油などの食材は、微生物たちが織り成す幾層にもわたった深い味わいに満ちています。
天然酵母パンの味わいや風味がそうであるように、
「本来の天然の味はこうしたものだったんだ!」、そうした感想をもたれる人が実に多いのです。
患者さんが教えてくれた本来の食材
こうした本来の発酵食材は穀物や果物、そして天然の菌たちといった生き物の織り成す自然の結晶の産物なので、商品ごとの品質が多少まちまちになる。バラけてしまうといった特徴があります。
ともすれば品質が安定しない、そうした面もあるのですが、それが
自然本来の食べものであると考えます。
私たちにそれぞれに持ち味や個性があるのと同じで、それは自然で当たり前のことだと思うのです。
こうした「発酵菌の問題」に気づいたのは、生活環境医の三好基晴氏の尽力によるものです。アレルギーや化学物質過敏症の患者さんを診療する中で辿り着いたのが経緯です。
アレルギーや化学物質過敏症などの症状は体にとって危険なものが入ってきたら、それを
「外に出して体を健全な状態に戻そう」とする防衛反応や治癒反応でもあるのです。
化学薬品や放射線などを浴びせられた食材を食べれば、反応が出てしまう。その症状を丹念に観察し原因を突き止めた結果として、復興された技術でもあるのです。
こうした症状をが出る人は、ある意味で異物に対してすごく「敏感」であると言えるかも知れません。それに比べて反応が出ない多くの人は「鈍感」、もしくは「麻痺」していると言えるのかもしれません。
こうした方々は有機野菜だと症状が出てしまいますが、肥料を一切使わない自然栽培だと発症しない。こうしたケースも少なくないからです。
だから人が本来食べるべきものは何か?その答えを患者さんたちが教えてくれている。彼らが食べられるものこそ、
人が日々食すべき本来の食材。
そんな風に言えるのだと思います。
天然酵母パンを選ぶあなたなら、発酵調味料も同じだと思われませんか?化学的に操作された発酵菌の調味料を選び続けますか?
私たちは、化学的に操作・培養された発酵菌を使う食材は「本物」ではないと考えます。できるだけ自然本来の食材を選び、日々の食卓に取り入れることで家族や自分の健康に貢献していく。
その輪が広まれば食べる人の健康を真剣に考える作り手が報われていく。そして「自分もやってみよう!」、こうした人を増やすことにもつながっていくのです。
天然菌による本物の発酵醸造品を扱い、広げていく活動を進めています!
次章では私たちの最重要食材主食の「米」について考えてみます。有機や無農薬、それだけでは私たちの体にとってはハードになってしまう面もある。このことについて考えてみたいと思います。
■次へ:有機・無農薬米は果たして安全なのか!?品種が教える主食の今!
■前へ:野菜が腐る本当の理由・脆くて弱い野菜はこう作られる!
■カテゴリTOPへ:有機・無農薬野菜を買う前に!60分で自然食のカラクリを暴く!
■自然栽培・肥料も農薬も使わないでお米や野菜が育つの!?
■TOPへ:有機野菜・自然食に潜む7つのリスクを速習!業界OBが60分で解説!
■無投薬・無医療の闘病体験記〜生きる力を最大限引き出す!〜
■自然栽培に学ぶ!無投薬・無医療のためのコラム集
■参考文献
■
水・塩・みそ・しょうゆ―これでわかる本物
■
健康のトリック―見てはいけない健康テレビ番組
■
日と水と土―ナチュラル&ハーモニックスタイルのすすめ
■
野菜が壊れる (集英社新書 469B)
参考文献
■発酵食品と遺伝子組み換え原料の危険性